100人での子育てにつながる第一歩  ー「孤育て」の日々をふりかえる #6

こんにちは。

このブログでは、私がいわゆる「弧育て」をしていたころの様子と、そこから育児を少しずつ外へ開いていった道のりをお伝えしています。


以前、東京で乳幼児(当時3歳と0歳)をひとりで育てていた日々のなか、気づいたことや苦しかったこと、逆にうれしかったことなど、一つひとつ振り返っています。


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本編に入る前に、この間少しびっくりしたことがあったので、余談なのですがシェアさせてください。


先日、Googleフォトの容量がいっぱいになってきたので、写真や動画を整理するために2022年頃からのデータを振り返っていました。


2022年といえば、まさにひとりで髪を振り乱しながら子育てをしていた真っ最中。記憶では、子どもたちは元気がなくて、景色は灰色で、自分は罪悪感と無力感を抱えつつ、とにかく必死で生活を回している……という日々でした。


しかし当時の写真や動画をあらためて振り返ってみて、衝撃を受けました。

そこには、記憶に反してひたすらゲラゲラ笑っている兄弟の姿があったのです。


数日おきのペースで撮影された動画のなかには、ふざけたり、歌ったり、踊ったり、よくわからない替え歌や戯れ言をのたまいながら、ゲラゲラ笑っている兄の姿。そして、それにつられてキャッキャと喜んでいる弟の姿がありました。まるで何も起こっていないかのような、一見ふつうの日常がそこにありました。


さらに驚いたことには、私自身もわりと笑ったりしながら、案外楽しそうなお母さんをやっている。記憶とのギャップに衝撃を受け、しばらく混乱してしまいました。


あれほどカオスな日々だったはずなのに、この明るさはどういうことだろう。3歳の兄が頑張ってくれていたのは間違いありません。弟の無邪気さにもずいぶん救われていました。しかし考えてみれば、私も自分なりにできることを一生懸命やっていたのかもしれない……。1年の時を経て、意外な発見をした思いでした。


育児をしていると、後悔や罪悪感にとらわれることがたくさんあります。しかしその裏には、二度と掬い上げられることなく流れていった数多くの努力と笑顔、そして輝かしい瞬間が、どんな親子にもあるのかもしれない。そんなことをふと感じた瞬間でした。


なので、もしよければ皆さんも、ご自身のスマホのなかの写真をときどき見返してみてはいかがでしょうか。そんなおすすめをしたくて、いきなり脇道にそれてしまいました。


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さて、余談が長くなりましたが、ここから本題に入っていきたいと思います。

前回の記事では、ワンオペ育児に耐えかねて体調を崩し、病院に行ったところまでお話ししました。

その病院の待合室で、順番を待っていたときのことでした。

スマートフォンに知らない番号から着信がありました。待合室を離れてかけ直してみると、「ホームスタートこうとう」という子育て支援団体の担当者の方でした。

実は、自宅でダウンしていたとき、自らこの団体へ問い合わせをしていたのでした。「ホームスタート」とは、未就学児の子どもがいる家庭にボランティアさんが訪問してくださるイギリス発祥の子育て支援です。現在世界の23か国に拡がり、活動地域では虐待予防にも効果が出ていることで知られています。


ホームスタートについては、長男の妊娠時から区の案内で知っていました。しかし夫がいたころは夫婦でなんとかしてきたこともあり、実際に利用するまでには至りませんでした。しかし、今回自宅の布団のなかで「もはやこれまで……」と思いかけたとき、ふと心に浮かんだのがこの団体の存在でした。そうしてスマートフォンを取り出し、しばらくウジウジ迷っていたのですが、最後にはすがるような思いで問い合わせをしました。それに対するお電話が、さきほどの病院の待合室にいるときにかかってきたのでした。


電話をかけ直してみると、対応してくださったのは女性のオーガナイザーの方でした。こちらの状況を気遣いながら、終始なごやかな雰囲気でヒアリングをしてくださいました。そして早速、次の週に面談を組んでいただけることになりました。


この面談が、私の「孤」育ての日々を大きく変えるきっかけとなりました。


その様子は、次回の投稿でお話ししたいと思います。

100人で子育てをすることにしました。

メディア「100人で子育てをすることにしました。」は、 "弧育てから「公育て」、そして人との交わりのなかで子どもたちを育んでいく「交育て」へ" をテーマに、偶然出会えた誰かと手を取りあいながら、子育ての日々を紡ぎなおすことを目的としたメディアです。