育児もまわりに頼ってみる ―「100人で子育て」への道のり #4

前回は、家事をアウトソーシングすることでワンオペの負担を軽減してきた工夫についてお話ししました。


今日は、育児関連のタスクも少しずつ頼ってみた道のりを振り返ります。 


子どもの世話を一部頼ってみる

私はフリーランスの文筆業なので、働く時間はわりと融通が効きます。日中はまだ幼稚園に通っていない次男を自宅で育てているため、おもに夜(とくに週末の夜中)を自分の活動時間にあてています。


ただ、たまに平日の日中に編集者さんとの打ち合わせが入ったり、オンラインで取材が入ったりすることがあります。すでに関係性がある編集者さんだと「赤ちゃんがいてもいいよ」と言ってくださることもありますが、取材となるとそうもいきません。


そこで平日の日中にアポが入ったときは、自宅にベビーシッターさんを招いて子どものお世話をお願いすることにしました。


はじめて次男をベビーシッターさんに預けたのは、たしか生後10ヶ月頃だったと思います。

最初はかなりドキドキしたものですが、そこはさすがのプロ。シッティング前に面談があり、子どもの呼び名からアレルギーの有無、生活時間、好きな遊び、注意点まで、細やかに確認してくれます。結局、一年間で数名の方にお世話になりましたが、「この人なら安心してお願いできる」と思える方ばかりでした(※もちろん、事前にプロフィールや口コミ等を見て厳選した方々ばかりということもあります)。それに何かあっても同じ屋根の下にいるので、すぐに子どもを見に行けます。


しかも、すごい人は玄関に登場した時点からもうプロなんですよね。ファーストコンタクトの瞬間から、表情や小道具などで子どものハートをがっちりと掴んでしまう。いろんな職業の「プロ魂」みたいなものに触れられるのも、アウトソーシングをすることの醍醐味だなぁと感じました。結果として、食事の介助からおむつ替え、寝かしつけから遊びまで、どの方にも安心してお任せすることができました。


これがとてもよかったので、用事がないときも時々お招きして子どもの世話を手伝ってもらったりしていました。ずっとひとりで子育てをしていると閉塞感に押しつぶされそうになるし、平日の夕方など人手が欲しいときもありますよね。


ちなみに私が利用していたマッチングサービスはこちらです。


一時預かりを利用してみる

ベビーシッター以外に、状況に応じて一時預かりも利用していました。


一時預かりとは、保護者が子どもの面倒を見ることができない時に、1日や時間単位で子どもを預けられるサービスです。おもに保育園などで実施されていますが、子ども家庭支援センターや託児所、民間の子育て関連施設などでも行われています。保護者のリフレッシュ目的でも受け入れてくれるところもありますし、そもそも理由を問わずに受け入れてくれるところもあります。


当日予約OKなところもありますし、こだわりポイントなどもさまざまです(お誕生月にバースデーカードをいただき感動したこともあります)。


私が利用したことのある一時預かりサービスは以下の通りです。

(東京都の施設が中心ですが、保育所や子ども家庭支援センターは全国にあります)


・地域の保育所の一時預かり

・子ども家庭支援センターの一時預かり

・ママズスマイル(https://mamas-smile.com/

・キッズスクウェア(https://www.alpha-co.com/nursery/facility

・キッズ花花(https://www.kizz-hana-hana.jp/


また、一時保育のマッチングサイトなどもあります。

さらに、保護者同士で子どもを預け合う「共同保育」の取り組みなどもあります。


食事を頼ってみる

子どもたちの食事づくりも頼ってみることにしました。当時は次男の離乳食がちょうどはじまったころで、食材のコントロールのために最初はある程度手作りをしていたのですが、ひととおり完了したあたりから市販の離乳食を導入しはじめました。栄養バランスも取れて衛生的だし、子どものお腹がすいているときもすばやく準備できるので助かりました。


とくにお世話になったのは、キューピーや和光堂の離乳食シリーズです。

また、地域の子ども食堂にもお世話になりました。食事を用意していただけることも有り難いのですが、なにより地域の人々と食卓を囲める貴重な機会になりました。大きなお兄ちゃんお姉ちゃんに遊んでもらえるのも、子どもにとってはいい刺激になったようです。


遊びを頼ってみる

ほかにも、子どもたちの遊びについてもプロの手を借りてみることにしました。「遊びを頼る」というと変な言い方なのですが、要するに親子でいろいろなところへ遊びにいきました。


公園やアミューズメント施設など、親子で遊びに行ける場所は全国にたくさんあります。なかには遊びのプロが常駐している施設などがあり、子どもの遊びを見守ってくださったり、関わってくださるようなところもあります。親にとっても、遊びのヒントをもらえたり子どもとの関わりについて学べたりと、たくさんメリットがあります。


私たち親子がとくにお世話になったのは、冒険遊び場(プレーパーク)おもちゃ広場などです。とくにプレーパークでは毎回どろんこになるまで親子で遊びました。

またこちらの記事でもお話ししましたが、未就学児の子どもがいる家庭に子育て経験のあるボランティアさんが訪問してくださる「家庭訪問型子育て支援」を展開している団体が全国にあります。私も過去にお世話になったことがありますが、我が家を訪問してくださったビジターさんがまさに遊びのプロで(元幼稚園の先生)、親子で楽しい時を過ごさせていただいたのは一生の思い出です。


ほかにも地域の児童館や図書館、子ども家庭支援センター、子どもプラザなど、親子で遊びに行ける施設は全国にあります。ぜひ気軽に遊びに行ってみてください。


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このように、さまざまな人や場所と接点を持つことで、育児の大変さを軽減できるだけでなく、親子の孤立も防げます。


孤立を防ぐことは子育てにおいて本当に大切なことなので、つぎの記事でもう少し深く扱いたいと思います。

100人で子育てをすることにしました。

メディア「100人で子育てをすることにしました。」は、 "弧育てから「公育て」、そして人との交わりのなかで子どもたちを育んでいく「交育て」へ" をテーマに、偶然出会えた誰かと手を取りあいながら、子育ての日々を紡ぎなおすことを目的としたメディアです。